入院患者になってしまった

　その時は、やっと私を理解してくれる人が出たことに安心をした。ここからは絶対に歩かない様に指示が出た。入院ベッドまでは車いすに乗せられ、看護師さんが連れて行ってくれた。私の病気を見つけてくれた医師は准教授で、入院患者の担当をすることはないそうだ。

　しばらくすると担当医がやって来た。何ともいけ好かない奴だった。猪八戒みたいな風貌で、気分屋だった。いったいこの病院はどうなっているのだ。入院まで接した医師の75％が、いけ好かない奴とは(笑)

　私は動いてはいけないのだという。ベッドに横になり、トイレも禁止。人生で初めて尿瓶を渡された。大をしたい時はナースコールを押せという。担当医の話では、発症の1週間以内に再梗塞を起こす可能性が高いらしい。その時は死の危険も…だから頭を動かしてはならないとのこと。そうだろう？私もずっとそんな気がしていた。真面目な私は、必死に頭を動かさない様に我慢していた。