急性期
私の退院日が決まった。入院からちょうど1ヵ月。結局、脳梗塞の理由は分からず。ちなみに脳梗塞の原因は、大きく分けて3つある。ここでは細かい話はしないが、私には心臓から起因する、脳梗塞予防薬が処方された。いわゆる血液サラサラの薬。しかしサラサラ…
入院中は義母が毎日来てくれた。来なくてよいと言っても、毎日来てくれる。義父もちょくちょく来てくれた。また親戚も頻繁に来てくれた。本当に感謝している。仕事関連はお断りしていたが、それでもお見舞いに来てくれる客先や仕入先もいた。私は恵まれてい…
そんな時に同室の男性の原因が判明した。ALS。筋萎縮性側索硬化症。段々全身の筋肉が動かなくなり、自呼吸もできなくなる。頭はしっかりしている、患者にとっては大変つらい病気。私の叔母がALSの為、そのつらさは良く知っていた。 自分が退院後、1度だけお…
私の入院生活を支えてくれたのは、同室の男性であった。私より少し年上。原因は分からないが、両足が上手く動かなくなってきているという。私や家族をいつも気遣ってくれ、やさしく声を掛けてくれた。私にとって、唯一の救いだった。 私は毎日検査をしたが、…
私は暇な時間を、徹底的に自主リハにあてた。理学療法士と作業療法士が、色々と自主リハプランを立ててくれた。ずっと廊下を歩きまわり、教えられたストレッチを続けた。折り鶴もどれだけ折っただろう。いびつな折り鶴。千羽鶴にしたら、縁起が悪そう。クロ…
病院内でのリハビリ時間以外は、とても暇であった。私は自分が入院しているフロアから出ることを、担当医に禁止されていた。入院期間中ずっと。 そのことを、担当療法士は怒っていた。だから患者が良くならないと。今となってよく分かるが、療法士の考えが正…
ベッドでの軟禁生活終了後、本格的なリハビリがスタートした。私は理学療法(身体全体のリハビリ)作業療法(主に手先のリハビリ)を受けることになった。びっくりしたのは自分の左手であった。左肘が勝手に上下に大きく揺れる。全く定まらない。文字を書こうと…
結局私の場合発症から時間が立ちすぎていた為、根本的な治療方法は何もないとのこと。そんな状態の中、病室に理学療法士がやってきた。私はベッドから頭を動かしてはならない、軟禁生活中。療法士は私の足を、ベッド上で動かしてくれた。 当時は何を言ってい…
ベッドで頭を動かしてはならない軟禁生活も、3日過ぎるとお腹が空いてきた。看護師に懇願しても、食事はダメだという。点滴で栄養は充分賄えているとのこと。普通この状況で、お腹が空く患者はいないのだという。誰が普通なのかは分からないが、私はお腹が空…
その時は、やっと私を理解してくれる人が出たことに安心をした。ここからは絶対に歩かない様に指示が出た。入院ベッドまでは車いすに乗せられ、看護師さんが連れて行ってくれた。私の病気を見つけてくれた医師は准教授で、入院患者の担当をすることはないそ…