脳卒中になって、人生面白くなってきた

愛犬とリハビリして、再生医療受けて、MBAを取って、起業を目指している人の話

2021-01-01から1年間の記事一覧

大学院生になってしまった5

教育訓練給付金の申請も終わり、後は合格発表を待つだけ。もし落ちたとしても、メールで通知が来るそうだ。 発表日、いくら待ってもメールが来ない。不合格でもメールを出すと言ったのに!17時近くなって事務局に電話をしてみると、すでにメール済みだという…

大学院生になってしまった4

キャリアコンサルティングはハローワークで行われた。専門家の方とマンツーマンで60分程行われた。事前にキャリア・プランシートというものを書き、それに関して面談を行う。 今改めてキャリア・プランシートを見てみると、よくまぁこれで通ったと思う。簡単…

大学院生になってしまった3

教育訓練給付金を申請する為に、最寄りのハローワークへ行った。申請には条件が少しあるが、それほど難しいものではない。これを申請するだけで、学費の半分近くが国から支給される。 申請で1点だけ面倒だったのが、ジョブ・カードだ。簡単にいうと、こうい…

大学院生になってしまった2

入学をする為には、小論文を2つ書かなければならなかった。内容は特に難しいことはなく、自分の経験と熱意を書けば良いだけ。1時間もせずに書けてしまった。ただ読み返してみると、とにかく酷い。読みづらいなんてもんじゃない。今も酷いが、こんなものでは…

大学院生になってしまった

私はSBI大学院大学への入学を決意した。理由は3つ。 1つ目は、eラーニングとオンラインの授業が中心だったこと。弱った頭と身体にはありがたい。 2つ目は、人間学の授業があること。これはSBIグループ代表であり、前学長である北尾氏の教育方針であった。簡…

心に穴があいてしまった8

火葬場へ連れて行く日まで、沢山の人と犬が来てくれた。 火葬場に向かう間際も、考えられない程の人達が集まってくれた。そんな暖かい方々に、私はこんな挨拶をした。今でもはっきりと覚えている。 「12年前、彼が我が家に来た時、私達夫婦はコパンと名付け…

心に穴があいてしまった7

その次の日の出張は、とてもつらかった。心に大きな穴が空いてしまった。ただただ、笑顔でいることに勤めた。記憶がほとんどない。お父さんは上手く笑えていたのかな?どうだったのかな?コパン。 帰宅すると、部屋は沢山の花が敷き詰められていた。本当にび…

心に穴があいてしまった6

コパンはその日の夜、ずっと泣いていた。普段吠えることはないのに。寂しかったのだと思う。私達を心配していたのだと思う。私達夫婦の間で、コパンはずっと泣いていた。 24時を過ぎたあたりで、私達はこうコパンに語り掛けた。 「今まで本当にありがとう。…

心に穴があいてしまった5

医師は点滴治療に、毎日自宅まで来てくれていた。忙しい中時間を作って。 コパンは流動食も中々食べられなくなっていた。しかしながら私達夫婦は、針のない注射器で様々なものを口から流し込んだ。エゴかもしれないが、1日でも長く見守りたかった。 6日目の…

心に穴があいてしまった4

2回目の抗がん剤は効果が表れなかった。日ごとに歩く距離も短くなり、食事もとれなくなっていった。 それ以降の抗がん剤治療は行わないことにした。何度も何度もコパンを助けてくれた医師からは、こんなことを言われた。 「ここからはコパンがくれるギフトの…

心に穴があいてしまった3

第1回目の抗がん剤が行われた。コパンは見違える様に元気になり、お気に入りの公園を一緒に散歩した。このまま良くなるのだと思った。 この公園は私が病気をする前からよく来ていた。休職中は妻が、コパンと私を連れてきてくれていた。 コパンは私が病気にな…

心に穴があいてしまった2

2018年5月、コパンの癌が再発した。消化器系リンパ腫。手術は不可能で、抗がん剤治療しかないのだという。ただそれでも、根本的な治療にはならないそうだ。 我が家のベランダには、コパンと一緒に植えた朝顔の芽が出てきていた。ただせっかく芽が出ても、コ…

心に穴があいてしまった

少しだけ時間を戻させていただく。 コパン(愛犬)は2005年8月4日に生まれ。生まれて3ヵ月で、我が家へやってきた。8月4日は私の母の命日でもある。子供のいない私達夫婦にとって、彼はいつも主役だった。小さな頃から身体がとても弱く、病院にばかり通ってい…

妄想野郎になってしまった11

その数日後、近所の方が卒業した学校のオープンキャンパスに連れていってもらった。この学校は一流大学が母体。参加者人数もとんでもない数。ここの教授の講義を聞き、私はとても感銘を受けた。面白い。ただ六本木の場違いなエレベーターよりも、更に場違い…

妄想野郎になってしまった10

その後軟禁されることもなく、会場を後にした。そういえば私の「自称・事業計画書」を見てもらった近所の夫婦も、大学院大学で学んでいると言っていた。ここで勉強すれば良いのか。良く分からないが、まずは調べてみよう。 数日後、SBI大学院大学に細かい話…

妄想野郎になってしまった9

会場はSBI大学院大学。場所は六本木。私には場違いな場所。前職でこの近辺が再開発を行っていた際、よく建材を納めにきていた。それ以降全く来ていなかった。 場違いな人間が、場違いなエレベーターに乗り、場違いな高層階の会場へ。それにしてもこのSBIって…

妄想野郎になってしまった8

その頃テレビで、寝たきり社長という方を知った。お名前は佐藤 千務さん。脊髄性筋萎縮症で寝たきりだが、社長をしているという。私は出版されている本を全て読んだ。何だかよく分からないが、すごい人がいるものだと思った。 Instagramで、佐藤社長の起業に…

妄想野郎になってしまった7

もう何だか分からなくなったが、勉強はしたのだから独立しよう。私は本を読んで作った、「自称・事業計画書」で起業をすることにした。内容は、加盟店が電子割引クーポン券を発行すると、近所を歩く高齢者のスマホに届く。高齢者はそのクーポンで、割安で商…

妄想野郎になってしまった6

次に何をすれば良いか?そうだ、自分が得意なことを絡めた資格を取ろう。色々調べてみると、福祉住環境コーディネーターというものがあった。これ取れば、人の役に立てるんじゃねぇ?もう詳細は割愛するが、半年程ユーキャンで勉強して、2・3級を一緒に取っ…

妄想野郎になってしまった5

晴れて講習を修了し、私は研修に行くことにした。訪問介護、通所リハ、有料老人ホーム。研修と言っても、1日ずつ体験しただけだが。 まずは訪問介護。私の心を折ったのは、介護ではない。自転車移動だ。この頃には自転車も少し乗れるまでに回復していたが、…

妄想野郎になってしまった4

授業は大きく分けて、講義と実技となる。 講義はずばり座学。この知識、意外と現在の私の基盤になっている。介護についてはもちろんだが、病気・死生観・心について、様々なことを学ばせてもらった。 実技は高齢者をベッドから車いすに移動させたり、高齢者…

妄想野郎になってしまった3

講習を受ける為に、各校のパフレットを取り寄せた。価格は学校によって違ったが、9~5万円程度。私は資格取得後、入社すれば全額返金される学校を選択した。なんと仕事も斡旋してくれるのか!さっそく申し込みを行い、授業料を振り込んだ。 授業は講義と実務…

妄想野郎になってしまった2

妻に事業を行うというと、ただただ呆れていた。まずは高齢者の何を知っているのだと。確かにおっしゃる通り。まずは高齢者の近くで働くことを考えた。高齢者向け施設で働くには、どうすれば良いのだろうか? 近所の方が介護職員として、老人ホームで働いてい…

妄想野郎になってしまった

私はまず、高齢者の生活を守りたいと考えた。鬼の様に経営に関する本を読みあさった。発症から2年がたち、本を読むことは苦でなくなっていた。 高齢者や障がい者の為になる事業を行おう。それこそ自分が行うべきことなのだ。ただお金がない。家でも売るか。…

ダメリーマンになってしまった5

毎日人と会うのは大変な作業であった。しかしながら日常を、少しずつ戻していくことができた。やはり人間は、1人では生きていけない。 自分と同じ思いをする人を、純粋になくしたかった。脳のダメージがかなり大きかったにもかかわらず、後遺症が比較的少な…

ダメリーマンになってしまった4

数日後の夜、布団の中でめまいと吐き気を感じた。嫌な感覚。脳梗塞を起こした時に近い。妻に救急車を呼んでもらった。タンカーに乗せられ、入院していた病院へ。 担当は若い研修医であった。しかしながら今回は、入院当時のカルテが存在した。また運良く、入…

ダメリーマンになってしまった3

作業療法士の先生に言われていた通り、仕事を開始してからは大変だった。会社には秘密にしているが、1度だけ救急車で運ばれた。 その当時はかなり無理をしていた。倒れる数日前に、仕入れ先との飲み会に参加していた。合同会議の後、他部署の上役から出席す…

ダメリーマンになってしまった2

私の休職中は、上司が仕事を担当してくれていた。とても良い人なのだが、人から怒られることと、責任が嫌い。本人が言っているのだから、しょうがない(笑) 休職中、私の携帯電話とパソコンを預かってくれていた。メールを開くと1,000通程の未読。上司にも転…

ダメリーマンになってしまった

私の通勤は当初、1日置きの週3回10時から16時となった。部署は営業のまま。不安であったが、ありがたかった。 当時はコロナ下でもなく、皆があたり前に通勤する時代。朝の満員電車を避けられたことは、本当に感謝。 夕方は、16時に退社することは難しかった…

廃人になってしまった13

作業療法士から復職に関し、強く言われたことがある。それは私の場合、見た目が健常者と変わらない為、復職するとまわりは最初しか気を使わない。そこでドロップアウトする人が多い。出来ないことは出来ない。つらい時はつらい。必ず自分から発すること。身…